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3.営業電話が苦手で、電話をかけると憂鬱になってしまう。どうすればよいか?
営業の電話をかけるのが苦手なBさんは、ある会社の営業マンですが、新規顧客の開拓や新しい仕事の受注のノルマに悩んでいます。最近は、電話をかけなくてはと思うだけで、すっかり憂鬱になりしばしば頭痛がします。
誰でも、プレシャーを感じて緊張するとか、不安であるとかということがあります。
NLPでは、プレシャーを感じて実力を発揮できないのは、あなた特有の考え方の習慣だと考えます。プレシャーを感じる特殊な考え方を、あなた自身が、時間をかけてあなたの脳に植えつけてきたのです。
Bさんの緊張してしまうという悩みに対しては、前述したアンカーの作用を利用して「リラックス」できるアンカーを作り出すことで問題を解決する方法がありますが、ここでは違う方法を試みてみましょう。
Bさんは、取引のある会社に新しい仕事を下さいというような依頼の電話をするのはまだましなのですが、最近はそれすらもかなり苦痛を感じてしまいます。
人は、何かに反応する時には、心と体が一緒に反応します。その時、体は正直にありのままに反応しますが、意識は必ずしも正直に反応しないことがあります。その時、意識が体と違う反応をしても、無意識の反応を意識と同じ反応に変更することは容易なことではありません。
意識が無意識を変更するには、無意識が賛成してくれた時にしかできないからです。もし、賛成が得られないのに無理に変更しようとすると、人は病的になります。大切なのは、体の言葉に耳を傾けることです。
そこで私は、Bさんに営業電話をかける前に、どのようなことを考えているかについてお話していただきました。
Bさんは、次のように自分の悩みを話してくれました。
- (1)電話をかけると、相手は嫌々話を聞いている気がする。
- (2)相手は、忙しいのに電話に出てくれているのではないかと考えてしまう。
- (3)仕事の話をしたい人に、なかなかつながらないのではないか?と思う。
このような考えかたをしていれば、その時に湧き上がる感情・気持ちは当然否定的になってしまいます。事実Bさんは、いつも「不安」「緊張」「自信がない」と感じると言います。
次に、Bさんにどのような状態・気持ちでいたいのかを聞いてみました。
その返事は、「前向きな気持ち」「リラックス」「自信」です。では、この「前向きな気持ち」「リラックス」「自信」にアクセスしたらどのような考えが浮かぶでしょうか?
Bさんの答えは、次のようなものです。
- (1)電話をかけると、相手はちょうどよかったと言ってくれる。
- (2)ゆっくりと話せる。
- (3)相手の話がよく聴ける。
このBさんとのやりとりから、Bさんの自分自身とのコミュニケーションの内容はお分かりいただけたと思います。
そこで、私はBさんに「前向きな気持ち」「リラックス」「自信」にアクセスしてから、電話をかけてもらうという練習を何回もしてもらいました。
この練習は、自分自身と肯定的なコミュニケーションを繰り返すことで、新しい回路を脳の中に作る方法です。アクセスしながら、そこに気持ちを集中して、よい気分が出てくるのを待ちます。リラックスしている気分、自信がある落ち着いた状態、やるぞという意欲が出てくるのを、繰り返し体験します。
そのような体験によって、今までのような弱気で嫌な気分がなくなってくるか、まったく違う感覚を感じるようになるまで練習します。この練習によって、Bさんは「前向きな気持ち」「リラックス」「自信」を感じながら、自信を持って電話をかけられるようになったのです