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2.なぜ、苦手意識が生まれるか?
苦手意識に苦しむ状態は、単なる「悩み」以上のものです。
なぜなら、苦手意識は、自分自身ではコントロール不能だと思われているからです。
苦手意識に苦しんでいることは、コントロール不能ともいえるような最悪の状態ですが、NLPではまったく違う見方をします。その状態をコントロール不能にしているのは、自分自身が困った状態を選択していると考えるのです。
つまり、自分自身で困った状態をわざわざ選んでいるというのです。どうして、そのように考えるかといえば、ある目的のために、意識より先にその人の体が反応してしまうからです。そして、残念なことに体のその状態に支配されて、自分自身が持っている本来の力を発揮できないからです。
このような現象は、仕事や生活のさまざまな場面でおこります。なぜそのようになるのか、自分でも理由がわからないのが普通です。このように自分でも嫌だと思い、理屈にあわないと思うような特定の状態を引き起こす現象には、パブロフ博士が犬の研究から発見した、有名な条件反射「パブロフの条件」という原理が働いています。
つまり、私たちの苦手意識も、実は同じように特別に条件づけられた状態なのです。
特別に条件づけられた状態なら、それを変える別の特別な状態もつくりだせるはずです。
つまり、苦手から自由になるには、嫌なことに関して「好き」とか「よい状態」にシフトできる、全く新しい状態作り出せばいいのです。
では、どうすればよいのでしょうか?
まず、あなたが手に入れたい望ましい状態を考え出して下さい。
最初は、なんとなく落ち着いた状態といったあいまいなもので結構です。そして、それが決まったら、その状態をより具体的にしていきます。
あなたが考え出したすべての望ましい状態をイメージして下さい。それが、なんとなく落ち着いた状態ということなら、やりやすければ目をとじて落ち着いた状態を思い浮かべます。
その落ち着いた状態のすべてをあたかもそれを実体験しているかのようにイメージします。
例えば、背筋をしっかり伸ばしているのに体の力はぬけてリラックスしている、などとさまざまにイメージを膨らませながら、そのよい状態を空想し実感していきます。
このように、自分にとってとても気持ちがよい状態を体験します。
理想的には、その感覚がもっとも高まった時の感じを、体のどこかにアンカーすることです。
アンカーには、船を停泊させる時に使う「錨」という意味があります。私たちの心と体の中に、特定の状態を引き起こすために固定されているスイッチのようなものです。スイッチを入れた時にいつでも同じ状態になれば、アンカーができています。
なるべくそうなるように、よいイメージ、よい感じが最高潮に達する感じがする少し前に、たとえば右手で左手首をつかんだりして、そこによいイメージを固定して下さい。すると、パブロフの犬の条件反射と同じように、よいイメージやよい感じと手首をつかむということが、しっかり結びついてアンカーとなります。