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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▽▲よりよい人間関係メールニュース第72号▼△ 発行:2013-2-08 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ○仕事や活動を協力しあって進めるためには? 仕事にしても何らかの活動にしても、複数の人間が一緒に行動するためには、 話し合いが欠かせません。ところが話しあいや議論になると、声だかの人の意見 がとおってしまったり、会議の後で不満を言いあったりということがおこりがち です。 建設的、創造的な話しあいや議論にするには、お互いが理解するために必要な 方法を持っているかどうかにかかっています。その方法とは、相手の話しを聞い て反応しているか、相手に質問されたことにきちんと答えているか、攻撃的、あ るいは否定的な感情を伴わない方法で自分の考えを伝えているかなどです。 もっと言えば、相手が、攻撃的・否定的に発言してきても、自分は感情的にな らずに反応しているかどうかです。これらがそろうことで、たとえ話し合いが合 意にいたらなくても、話しあいや議論に広がりと深みがでてきます。うまくする と合意に役立つ新たな道筋が見つかるかもしれません。少なくとも、お互いに今 後も継続して話しあう約束や動機が生まれると思います。 こうしたことの大切さは誰もが分かっているのですが、どうすればそれができ るかを知らないという人が少なくありません。考えてみると、ほとんどの人がど うすればそれができるかという教育も訓練も受けていないと思います。 これらの方法は、職場の中の会議だけでなく夫婦の話し合い、親子の話し合い、 近所や地域での話し合いにも役に立つものですが、それを意識的に使ったり、練 習したりしないのではないでしょうか? これまで、いろいろなところでコミュニケーションの研修をしてきましたが、 最後に残る課題が会議の進め方です。会議は、意見を述べない限りよい成果が得 られませんし、かといって意見を言いすぎる事にも抵抗があるのか、会議に不満 を持っている方々が多い気がします。 改めて、話し合いや会議に役立つ方法を整理してみましょう。 まず、相手の話を聞く、聴くとはどういうことでしょう。 話し合いや会議の場で、あなたや他の人は具体的にどのようにふるまっている かを自覚しているでしょうか? すべてとはいいませんが、おそらくは「言い合 い」をしているのではないでしょうか? 相手の意見に反応しながら、自分の意見を述べているでしょうか? ここでいう反応とは、「あなたの意見も分かりますが、・・・・」という言い方 を含めてはいません。実は、これも「言い合い」とみなします。 相手の意見に反応するとは、その意見について今までにやらなかった方法で考 えてみることを言います。つまり、相手の意見をより詳しく理解しようとするこ とです。 たとえば、「あなたが、そのように考えることをもう少し詳しく教えて下さい」 というような反応をすることです。今のところ、自分は相手の意見とは異なる考 えを持っているが、相手の意見は、どういう考えによってなされているかを知ろ うとする態度です。 私たちは、自分の考えを正しいと信じていますから、なかなか相手の意見を受 け入れることは難しいものです。つまり、相手がどのような根拠で自分と異なる 意見を持っているかを知ろうとはしないものです。自分の意見が、強い信念によ るものであればあるほど、相手の考えなど聞きたくないものです。 そこを乗り越えて、相手の意見に関心を持とうというのがこの方法の秘訣なの です。 相手の考えを詳しく聴くことで、今までに経験したことのない視点が手に入るか もしれません。もしかしたら、自分の考えを相手に受け入れてもらえる機会にな るかもしれません。 少し時間のかかる議論になりますが、やってみると意外に気持ちのいい体験に なります。 相手の話をじっくり聴くことは、相手に同意することではありません。相手が どのような論理で自分とは違う意見を持っているかを知ることには、2つの利点 があります。一つは、相手の考えをより詳しく知ることによりお互いに「柔軟性」 が生まれます。二つ目は、話を聴いてもらえることで、もしお互いが異なる考え を持って対立していても「安心感」や「満足感」が生まれることです。この安心 感や満足感が、話し合いや会議を和やかにし、発想も豊かにさせることにつながっ ていきます。 このような感覚は、体験でしか得ることができないもので、知識では手に入れ ることができません。思いやりを十分体験しながら育った人は、自然に他人を思 いやることができるというようなことがよく言われますが、相手の話を聴くこと には、「思いやり」と同じようなニュアンスがあります。 次は、質問です。すでに述べたように質問は、相手の考えに関心を持って相手 を理解しようとするために行うものです。つまり、相手の話を聴くこととセット になるものです。 最後が「伝えること」です。 攻撃的、否定的な感情を伴わない言い方で伝えることですが、相手の話を聴く ときも、相手に質問する時も感情的でないことが前提です。 私たちは、相手が攻撃的だと思わずこちらも攻撃的に反応しがちです。その先は、 単なる「言い合い」ではなく非難の応酬になってしまいます。あるいは、相手へ の怒りを抑えてしまい、その場でなく会議の後で、怒りや不満を発散することに なってしまいます。 この「聴く」「質問する」「伝える」は、コーチングの重要な技法ですが、実 は、日常のあらゆる場面に求められることなのです。会社の上司が、親が、先生 がこれを使いこなすことが、私たちの関係をもっと豊かで創造的なものにしてく れるのです。 私は、こうした技法のトレーニングとして、米国のコンサルタントでTAと NLPの専門家であるエーブ・ワグナーが開発した「コミュニケーションのバリ アを壊す」という意味のBCBプログラムをお勧めしています。 来月3月2日~3日に、このプログラムの応用セミナーを行います。本来は、対象 限定のセミナーですが、ある程度TAやNLPを学ばれた方々にも参加していた だけるようにしました。詳しくは、下記のURLでご覧ください。 http://www.iryo.co.jp/q3415.html ぜひ、このメールニュースの読者の方にもご参加いただければと思っています。 |